免疫力を低下させずにダイエットするには?
「ダイエットを始めたら、風邪をひきやすくなった」「なんだか疲れが取れない」そんな経験はありませんか?
そんな悩みを感じている人は、もしかすると“免疫力”が低下しているのかもしれません。
免疫力とは、体を守るための防御システムのこと。
風邪やウイルスから身を守るだけでなく、体の炎症を抑え、代謝をスムーズに働かせる役割も担っています。
実は、この免疫力とダイエットは密接に関係しています。
私たちの体は、食べたものや睡眠、ストレス、運動などあらゆる要素が複雑に関係し合いながら健康を保っています。体重を落とすことだけに意識を向けすぎると、このバランスが崩れ、体を守る力=免疫力が低下してしまうのです。
一方で、正しい方法でダイエットを行えば、免疫機能はむしろ高まることが分かっています。
体の巡りがよくなり、腸内環境が整い、睡眠の質も上がることで、結果的に“痩せやすく、疲れにくい体”をつくることができるのです。
ダイエットというと「食べない」「動く」といった行動に目が向きがちですが、本当に大切なのは体の仕組みを整えて、自然と痩せる流れをつくること。その土台になるのが、「免疫力」です。
今回は、免疫力を高めながら無理なく体を引き締めるための3つのポイントを詳しく解説していきます。
巡りを良くする
免疫力と代謝の両方に深く関わるのが、「血流」です。
血液は酸素や栄養を運び、老廃物を回収する“体の物流システム”のようなもの。流れが滞ると、細胞が十分な栄養を受け取れず、疲労物質や脂肪がたまりやすくなります。
「体がだるい」「手足が冷える」「むくみやすい」これらはすべて“巡りの悪さ”のサインです。
血流を良くする最もシンプルな方法は「動くこと」。長時間同じ姿勢で過ごしていると筋肉が硬くなり、血流が滞ります。仕事の合間に背伸びをしたり、通勤で一駅分歩くなど、こまめに体を動かすだけでも巡りは格段に良くなります。
特に、ふくらはぎや太ももなどの大きな筋肉を使う動きは効果的です。下半身の筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、血液を心臓へ押し戻すポンプのような役割を果たしています。
また、深呼吸も巡りを助ける大切な習慣です。浅い呼吸では酸素が十分に行き届かず、自律神経のバランスも乱れやすくなります。
一日に数回、ゆっくりと深く息を吸って吐くことで、血流と神経の両方が落ち着きます。
体の巡りが良くなると、免疫細胞が全身をスムーズに移動でき、代謝のスイッチも自然にオンに。「疲れにくく、痩せやすい体」のベースが整っていきます。
「食べて整える」腸内環境
意外に思われるかもしれませんが、免疫細胞の約70%は腸に存在しています。
腸は食べたものを消化・吸収するだけでなく、体にとって有害なものを排除する「免疫の司令塔」としての役割を持っています。
しかし、食生活が乱れたり、ストレスが溜まったりすると、腸内環境が悪化してしまいます。悪玉菌が増えることで、便秘や肌荒れだけでなく、免疫力の低下や太りやすさにもつながります。
腸を元気に保つには、次の3つの食習慣を意識しましょう。
① 発酵食品を毎日少しずつ
ヨーグルト、納豆、味噌、キムチなどの発酵食品は、腸内の善玉菌を増やす働きがあります。一度にたくさん食べるよりも、毎日少しずつ続けることがポイントです。
② 食物繊維を意識して摂る
野菜・きのこ・海藻・玄米などに含まれる食物繊維は、腸の掃除役。
特に水溶性食物繊維は善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれます。
③ タンパク質を欠かさない
筋肉を維持するための栄養素であるタンパク質は、免疫細胞の材料にもなります。
肉・魚・卵・豆製品をバランスよく取り入れ、エネルギーをしっかり生み出せる体を作りましょう。
腸が元気になると、免疫力が高まり、代謝も安定します。
さらに、幸せホルモンのセロトニンも腸でつくられるため、気持ちが安定し、ストレスによる食べすぎも防げます。
“食べて整える”ことが、ダイエットと健康のどちらも叶えるための近道となります。
「休む力」を育てる
現代人の多くが見落としがちなのが、「休む力」。
どんなに食事や運動を頑張っても、体が回復する時間がなければ、免疫も代謝も機能しません。
体のリズムをつくっているのは「自律神経」です。
日中に活発に働く“交感神経”と、夜にリラックスを促す“副交感神経”のバランスが取れていると、自然と代謝やホルモンの働きも整い、免疫力も最大限に発揮されます。
しかし、ストレスや寝不足、スマホの見すぎなどで交感神経が優位になりすぎると、体は常に緊張状態となり、脂肪をため込みやすくなります。
このバランスを取り戻すには、「休息の質」を意識することが大切です。
① 睡眠のゴールデンタイムを味方にする
成長ホルモンが最も分泌されるのは、入眠後3時間。
この時間に深い眠りを得るためには、寝る前のスマホやカフェインを避け、照明を落として“体を眠るモード”に切り替えましょう。
② 呼吸と姿勢を整える
浅い呼吸は交感神経を刺激し、体を休ませにくくします。
背筋を伸ばしてゆっくり深呼吸することで、副交感神経が働き、自然にリラックス状態に。
③ 自分をゆるめる時間をつくる
朝の新鮮な空気を吸い込む、好きなドラマを観る、温かい飲み物をゆったり飲むなど、どんな方法でも構いません。
“力を抜く時間”を意識的にとることが、免疫力を底上げする鍵になります。
休む力を育てることで、体の内側のバランスが整い、自然と太りにくく疲れにくい体へと変わります。
まとめ
免疫力を高めることは、単に病気を防ぐだけでなく、“代謝のいい、痩せやすい体”をつくるための基本でもあります。
動いて血流を良くすること、腸内環境を整えること、そしてしっかり休むこと。
この3つの柱をバランスよく実践すれば、体は本来の力を取り戻し、無理をしなくても自然に変わっていきます。
ダイエットの成功は、努力の量だけではなく、体が働くリズムを整えることが欠かせません。
免疫力を味方につけることで、心も体も軽くなり、ダイエットはもっと楽になるはずです。
















この記事へのコメントはありません。