加圧トレーニングは糖尿病の方にもオススメ
近年、日本人の食生活は欧米化が進んできています。また車が主な移動手段となり運動不足と感じている人も多いのではないでしょうか。
高カロリーな食事を食べ過ぎたり、運動不足といった生活習慣の乱れが続くと、恐ろしいのが生活習慣病です。近年、生活習慣病を発症する人が増えてきています。
その中でも注意が必要なのが糖尿病といわれています。
今回は糖尿病について、また糖尿病の患者さんにオススメな加圧トレーニングについてご説明したいと思います。
糖尿病とは
食事をすると一時的に血液中の「ブドウ糖」が増えます。ブドウ糖とは私たちにとって生きていくために大切なエネルギー源ですが、このブドウ糖は多すぎてもよくありません。
食事をとることで増えたブドウ糖は、インスリンというすい臓から出ているホルモンによって体内に取り込まれ、エネルギー源として使うことができる状態にしてくれます。
ところがこのインスリンは、食べ過ぎや運動不足といった生活習慣の乱れだったり、遺伝等の影響で分泌量が少なくなったり、分泌されてもうまく働かなくなってしまうことがあります。
インスリンの働きが悪くなると、血液中にブドウ糖の割合が高くなります。
血液中のブドウ糖を「血糖値」と呼び、血糖値が高くなる病気が糖尿病です。
血糖値が高い状態は、血液をドロドロにしたり、血管を傷つけたりと、血管に負担を与えます。特に、毛細血管という細い血管は、血管がもろく、血糖値が高い影響を受けやすいと言えます。
糖尿病による三大合併症が「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」で、おもに毛細血管が集中する網膜、腎臓、手足に影響がでます。
また血糖値が高い状態は、毛細血管だけでなく太い血管にも影響を与えます。大血管障害と呼ばれる、脳梗塞・心筋梗塞など命にかかわる病気を引き起こす可能性も高まってしまうのです。
合併症は、糖尿病と診断されたときから、およそ5~10年くらいで出現すると考えられています。
血糖値が高い状態を放置しておくことで、ゆくゆくは失明したり、透析や手足の壊疽(えそ)を引き起こすこともあります。
血糖値を下げるには
糖尿病には大きく1型と2型に分けられます。
約95%が2型糖尿病といわれており、2型糖尿病になる主な原因はストレスと運動不足、暴飲暴食などの生活習慣の乱れだといわれています。
糖尿病の方は血糖値が上がりすぎてしまうため、血糖値を下げることが必要となってきます。
血糖値を下げるために薬やインスリン注射による治療を行うこともありますが、まずは運動療法や食事療法による治療が行われます。
食事療法に関しては医師と相談のうえ1日の総エネルギーをきちんと守り、1日3食、決まった時間にバランスのよい食事を心がけましょう。
1日に30品目以上取ることが理想とされていて、カロリーを守ってバランス良く食べるようにしてください。
加圧トレーニングがオススメ
2型糖尿病の治療として、食事療法と同じぐらい大切なのは運動療法です。
運動することによりエネルギーを消費して肥満を解消します。毎日運動をすることで、体脂肪が減ります。すると脂肪細胞から分泌される活性物質が増えます。この活性物質はインスリンの働きを助けるため、インスリンの利きが良くなることもわかってきました。
血糖値を下げるためには有酸素運動が必要です。有酸素運動には、心肺機能を高めたり、インスリンの抵抗性や肥満を改善したりする効果が期待できます。
有酸素運動とはジョギングやウォーキングのような運動です。ただし、ウォーキングは一日一万歩を目安に歩かなければならず、運動に費やす時間が長すぎるという欠点があります。高齢の方や忙しい現代人には負担になりかねません。
そこでおすすめは「加圧トレーニング」です。
加圧トレーニングとは、腕と足の付け根に専用のベルトで圧力をかけることで、血流をある程度制限します。その状態でトレーニングを行うことで、少ない不可と短時間で効果が実感できるトレーニング法です。
一回の加圧トレーニングでは腕10分、脚15分程度で終わり、全身を約30分位でトレー二ングできます。
通常のトレーニングで全身を加圧トレーニングと同程度のレベルになるまで行おうとすると、2時間以上かかってしまう事を考えれば、かなり時間短縮できるのです。
加圧トレーニングを行うと、成長ホルモンが大量に分泌されます。そうすることで脂質の代謝が高まります。また血糖値を下げる働きをするインスリンも分泌されます。
加圧トレーニングをするとすぐに血糖値が下がり、さらにその効果は翌日まで続くといわれています。
まとめ
2型糖尿病の方は食事療法と運動療法による治療が行われます。
運動療法にオススメなのが加圧トレーニングです。加圧トレーニングを行うことで、短時間、短期間で高負荷の運動効果があります。
加圧トレーニングは血糖値を下げる効果があり、その効果は翌日まで続きます。またトレーニング30分後に成長ホルモンの分泌が最高値に達しますので、その頃に軽いウォーキングを行うとさらに効果があがります。医師と相談が必要ですが、糖尿病の方にオススメしたいトレーニングが加圧トレーニングです。