有酸素運動と無酸素運動の違いとは?
運動には、大きく分けて「有酸素運動」と「無酸素運動」の2種類があります。有酸素運動と無酸素運動はそれぞれ効果に違いがあるため、ダイエットや筋肉づくりを目的とする場合、2つの運動のそれぞれの違いや効果を理解しておくと良いかと思います。今回は有酸素運動と無酸素運動について詳しくお話していきたいと思います。
有酸素運動とは
有酸素運動とは、最大心拍数80%以下の運動のことであり、筋肉への負担が比較的軽く、長時間継続して行える運動のことを指します。負荷の比較的軽い運動は筋肉を動かす際、エネルギーとして体内の血糖と共に酸素が使われるため、有酸素運動と呼ばれます。例えば、ウォーキングや水泳などが該当します。
有酸素運動は一定時間以上行うことで、脂肪をエネルギー源にして消費します。そのため、脂肪の燃焼効果があり、ダイエット効果を期待できます。さらに余分な脂肪を落せるためウエストや脚の引き締めが可能になります。短時間よりも長時間行うことが効果的なため、最低でも20分以上運動するとよいでしょう。
有酸素運動を行って肺に取り込まれた酸素が、心臓を使って全身に循環します。心肺に負荷をかけられるため、心肺機能の強化にもつながります。心肺機能を強化するとスタミナがつくので、疲れづらい身体作りを行えるでしょう。
さらに、有酸素運動は体脂肪(皮下脂肪・内臓脂肪)を燃焼してエネルギー源とします。体内の不要な脂肪を燃焼することで、血中のLDLコレストロールや中性脂肪、体脂肪が減少するため、ダイエットや生活習慣病の予防のほか、高血圧などにも効果が期待できるのです。
有酸素運動は激しい運動をしなければいけないと考えられがちですが、徒歩や自電車で通勤する、階段の上り下りをする、散歩をするといったことも有酸素運動のため、日常生活に取り入れやすいというメリットがあります。
無酸素運動
無酸素運動とは、素早い動きやパワーを使う運動など、短時間で大量のエネルギーが必要となり、筋肉を動かすエネルギーを作り出す際に酸素を使わないのが無酸素運動です。無酸素運動は瞬発的に筋力を発揮する強度の大きい運動、例えば短距離走やバーベルなどを用いた筋トレが該当します。
体内にある糖質をエネルギー源にして運動を行うことで、筋肉そのものを強くするため、基礎代謝を改善できます。
基礎代謝は、無酸素運動をおこなって筋力アップをすると、血液の流れ・酸素の供給の向上などエネルギー消費が増えて基礎代謝量が上がります。基礎代謝量が上がると体脂肪が燃えやすい状態になるため、リバウンドしにくい身体づくりにつながります。また持続性をもたらす効果も期待できます。
無酸素運動は大きな力を瞬発的に発揮します。そのため、筋肉や関節を痛めやすいというデメリットもあります。また、脂肪燃焼によるダイエット効果が期待できないので、意識的に避けている方もいるでしょう。しかし、筋肉に過度な抵抗(レジスタンス)をもたらすトレーニングは運動の必要性が求められている方には今後の生活クオリティを高めることになるでしょう。自宅でもできる筋トレメニューもありますが、ジムなどのマシンを使って行うとより効果的です。
ダイエット
ダイエット目的として運動を取り組む場合、有酸素運動と無酸素運動のどちらのほうがダイエットに向いているでしょうか。
有酸素運動と無酸素運動は、どちらもダイエットに良い効果をもたらせてくれますが、効果には違いがあり、どちらが痩せるかは一概に言い切ることはできません。
ランニングなどの有酸素運動は、糖質だけでなく脂質をエネルギー源とするため、脂肪燃焼の効果が期待できます。また、比較的負荷が低いことから長時間取り組めるのもメリットです。
一方で、無酸素運動は、脂質ではなく糖質のみをエネルギー源とします。有酸素運動に比べて脂肪燃焼効果は低くなりますが、まったく効果がないわけではありません。
無酸素運動によって生成される乳酸には、脳を刺激して成長ホルモンの分泌を促す作用があります。この成長ホルモンには、脂肪を分解して筋肉を成長させる働きがあるのです。そのため、無酸素運動によって筋肉量が増えることで基礎代謝量もアップして、太りにくく痩せやすい身体づくりを実現しやすくなります。
まとめ
今回は有酸素運動と無酸素運動について詳しくお話してきましたが、実はこの二つの運動を組み合わせて行うのが効果的です。つまり、筋トレなどの無酸素運動の後に有酸素運動を行うことで、有酸素運動だけを行ったときよりも効率よく脂肪を燃焼できるのです。一般的に、筋肉の修復には部位によって異なりますが、48~72時間程度必要だと言われています。
全身の筋トレを1日で行う場合には、その後2~3日程度の休息日を設け、休息日には軽い有酸素運動をして体を動かすことも効果的です。
それぞれの良いところを理解し、自分の目的に合った運動を組み合わせながら、その効果を高めていけるといいですね。
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